帰って来たコウミンカン!
- 2008.05.15
- Category:カルテット
3枚目のアルバム"etudes" を出したのはもう4年も前になる。エンジニア林さんの自宅近くにある公民館の小さなホールを借りて2日間ほどで録音した。
昨日は久しぶりでそのホールで録音をした。子供時代の思い出の場所を大人になってから訪ねるとそのスケール感の違いに驚いたりするが、昨日はそれと同じような感覚を音で体験した。ぼくの中では "etudes" は特別なアルバムである。なにもわからず宅録の延長の気分で作った"ground piano"。宅録環境ががらりと変わったハードディスクレコーディングの試みの"hello 88"。このアルバムのレコ発ライブをするために結成したトリオのために曲を書くのがおもしろくなって、いつのまにかアコースティックアルバムを作るという流れになってしまったのが"etudes"。アコースティック楽器の繊細さを記録しようと言う気持ちは皆目なかった。そこは林さんにまかせっきり。果たして出来上がった作品は、ぼく自身の目論見を飛び越えてなんとも音響的に素晴らしいアルバムとなった。現在、etudesを聴き直して改めてそれを痛感する。この公民館での録音を経験したからこそ、次の楽団での一発録音という発想がでてきた。人が集まり、音を発し、地上何メートル上かで音が交じり合う。床や壁や天井などに音は反射し、部屋全体が音響装置となって、人々を誘惑する。そう、甘美な誘惑!昨日はめちゃくちゃ低予算だったためダビング作業を重ねながらの録音だったがそれでもこの小さなホールが楽器と変わっていく瞬間を感じることが出来た。お世辞にも楽器を鳴らすのに素晴らしいホールとは言えないのだが、それでもこの箱(ハコ)特有の音響効果を持っている。それが僕にとっては4年前の録音を思い出させるとても大切な記憶装置にもなっている。こんな気持ちはとても嬉しい。以前よりもより敏感な聴覚と肌感覚でもって昨日の録音を過ごした。etudesの録音で感じられなかった感動を今取り戻している。








